2020年2月11日火曜日

浄土真宗東京教区仏教壮年会連名 結成40周年記念大会

浄土真宗東京教区仏教壮年会連名 結成40周年記念大会
日時:2020年2月2日 13時30分〜16時30分
場所:築地本願寺 第二伝道会館 蓮華殿

・仏壮連盟会長 黒田さん
麒麟は、幸福を象徴する動物、独生独死、今日よりも少しでも良い明日が来るようにみんなで考えていこう。

・理事長 宮南さん
社会問題に仏教がどのように関わっていくことができるかを考える。

・南條さん
自信教人信、南無阿弥陀仏の教えを自分で信じて広く教えるということ。

・これでいいのか〜仏壮のおもい〜 南荘さん
東京近郊に人が集まり、人口密集地と過疎地の2極化が‘進んでいる。人々の繋がりは希薄化していて、親子関係も例外でない。お寺とは何なのか。本当の繋がりとは何なのか、原点に戻る必要がある。

ネット通販、店舗の無人化が進んでいる。人と話をしなくてもモノが買える。生産地と物流で完結してしまう。そこには、人間がいない。

ネットでどんなことでも知ることができる。ネットはグローバルブレインと言われている。人間の記憶力よりはるかに優秀だ。でも、知らないうちに洗脳されているということがある。フィルターバブルという現象だ。ネットの情報は、蓄積されて、分類、識別されて届けられる。自分に都合の良い情報、興味のある情報がフィルタリングされて提供される。ネットの情報は、選択されて意図を持った情報である。マスメディアは、どれもそうだが、リアルの情報、本来の人間関係が必要な時代である。

人と人との繋がりがなくなったら殺伐とした世界になる。仏教は、阿弥陀様のお力によりご縁を得ることが原点である。どのように人と人とをつなげていくか。それは、デジタルでは難しい。アナログだが地道な声がけが必要である。

お寺に人が来なくなっている。葬式仏教と言われて久しい。葬式以外にお寺は必要ないのか。死んだ人より生きている自分たちが幸せになるためにはどうするか。

引きこもりが増えている。最近は、思春期の若者だけでなく、高齢者の引きこもりも増えているらしい。引きこもりの長期化も原因にある。

引きこもりの原因の一つに居場所がないということがある。お寺に居場所を作ることも一つの解決策になるのではないか。

最近の若者は、飲み会に誘っても来ないが、町のゴミ拾い、公園の掃除などの社会貢献活動には積極的に参加する。社会問題に対する意識は低くない。

役割を与えて、仕事を任せると生き生きと仕事をする。キッズサンガで、流しそうめんなどをやると、竹を取る人、セッティングする人、そうめんを茹でる人、そうめんを流す人など役割ができて楽しんでやる。役割を与えるということは大切。

ここに集まる人は、行き先がお浄土でみな同じで共通点があるのだから、血縁、家族の絆を乗り越えた仲間意識が生まれる。この教えを地域で伝承していく。新幹線より飛行機に乗っている人の方が一体感がある。新幹線は、降りる場所がみんな違う。名古屋で降りる人もいれば新大阪や広島まで行く人もいる。一方、飛行機は降りる場所がみんな一緒。ここが重要。目的地が一つであればまとまれる、一体感が持てる。

◎パネルディスカッション 15時15分〜
テーマ「これで良いのか、仏壮の想い」
パネラー
東組 称福寺 宮南さん
静岡西組 教覚寺 南荘さん親子
千葉組 常円寺 園城さん
栃木北組 正浄寺 西山さん

◆仏壮の現状
・仏壮の役割は、若い次の世代に伝承していくこと
・仏教婦人会連盟の総会がサンフランシスコで開かれた。1700名の仏婦が世界から集まった。人種風土が違う人たちでも、同じ宗派のもとで一つになった。帰るところが、同じお浄土ということでまとまった。
・広報が不足している。寺報なし64%、ホームページなし70%、護寺意識なし50%、後継者がいない50%
・お寺に人が集まるようになるためには、お寺の住職が踏み出して、門徒が背中を押す必要がある。仏壮はそれを応援する。
・子孫に伝承していくためには、キッズサンガが重要。いかにして子どもをお寺に連れてくるか。
・様々な活動をしているお寺の紹介:雅楽、仏教婦人会、ゴルフ大会、ボウリング大会など6団体で活動している。仏壮は総代会の下部組織になっており、仏壮がアイデアを出して総代会が承認すれば進められる。12月にお寺掃除(おみがき)を推進委員が中心で行う。その時にピザなども振る舞わられる。
・仏壮の推進委員が推進だよりという機関誌を出している。毎回、住職にひとことを書いてもらっている。
・6団体の研修旅行を行っている。25〜6人が参加する
・小学校と合同でイベントをやったりして、お寺の枠を超えた活動をしている。おときを作ってみんなで食べるなど。
・住職は責任は取るが権限は仏壮に委譲するというのが良い。
・仕組みがはっきりしている方が良い。
・みんな同じ座につけるようにするのが秘訣

◆10年後のお寺
・今までの門徒との信頼関係を作ることが重要
・御縁の喜びを伝える
・お寺に御縁のない人にいかに働きかけるか
・肩の力を抜いて身近なところから進める
・失敗を恐れずチャレンジする。ダメだったらやり直せばいい
・お寺以外の団体とも連携する
・念仏は伝えるものでなく、自然と伝わるもの
・お寺の聴聞することで、宝を持ち帰ることができる。お寺が宝の山になれば人が集まる
・お寺を若い人たちにとっても必要なものにする。そのためには、AV機器、Wifi、きれいなトイレ、喫茶室などが必要
・古臭いお寺のイメージを払拭する
・お寺が生活に必要なものになればいい
・お寺は、真宗の教えを教えるのでなく、みんなで考える場所にすることが重要
・お寺に行くのが楽しい、好きになるという場所にしたい
・5月16日の総会のテーマは、今回の「これで良いのか、仏壮の想い」を受けて「これで良いのだ、仏壮」とする。天才バカボンのパパの話も出てくる楽しい内容になるので乞うご期待。




2020年2月4日火曜日

鎌倉組 第13期 連続研修会 第10回 来恩寺(茅ヶ崎)

鎌倉組 第13期 連続研修会 第10回 来恩寺(茅ヶ崎)
● 記録:長生寺 檀家 廣瀬隆夫
※この内容は、お話を聴きして得た私の個人的な感想を書いたものです。
● 2020年2月1日(土)13時~16時20分
● 研修生 17名
・開会式(開式の言葉、正信偈、浄土真宗の生活信条、役員(橋本さん)挨拶、来恩寺住職挨拶、真宗宗歌)
・問題提起(差別について 高願寺住職:宮本義宣さん)
・班別話し合い(13時40分~14時40分)
・発表(14時40分~)
・全体協議会 まとめ 宮本義宣さん
・閉会式(感話、恩徳讃、閉会の言葉)16時25分終了
● 次回 第11回 4月4日(土)永勝寺(藤沢)

■ 差別についての感想とまとめ

連研第10回のテーマは差別でした。30年前から全国で600個所で社会や人間をテーマに話し合いが行われていますが、差別はずっとテーマとして取り上げえられています。親鸞聖人は、「石、瓦、つぶてのごとき我らなり」と言われています。穢多、非民など、当時虐げられていた人たちと一緒に歩むと言われているのです。世の中の差別の解消は、宗教者としての大きなテーマであったことは間違いありません。差別とは、人間としての存在は否定すること。いじめで居場所がなくなり命の尊厳も否定する行為なのです。

その後、三つのグループに分かれて話し合いが行われました。私たちの班は、どのような差別があるかをまず、洗い出しました。

・病による差別:ハンセン病、肺病、新型コロナウイルスなど人から人に伝染る病気に対する恐怖がありました。ハンセン病は後にそれほど感染力の高いものではないことがわかりました。

・民族による差別:朝鮮民族、アイヌなどの差別がありました。関東大震災では、井戸に毒を入れたというデマで朝鮮人の大量虐殺がありました。戦争中、日本は朝鮮から労働力として強制的に連れてきて厳しい作業をやらせていました。それが後に差別につながったのではないかと思います。

・部落民の差別:日本各地に部落という差別された地区がありました。そこは、人がやりたくない職業、屠殺、皮加工、精肉、葬儀屋などに従事していました。結婚や就職も普通にできなかったようです。

・言葉の差別:方言や発音の違いで差別がありました。東北のズーズー弁などを話す人は差別されたという話がありました。

・性による差別:いわゆる、LGBT。ホモ、レズ、体と心の性が一致していない人などだ。小学校にも、男性トイレに入れない男の子がいるらしいです。

・思想差別:社会主義や、共産主義の人たちが差別されていました。今でも、共産党に対する差別が残っています。

・宗教差別:特定の宗教を差別して排除するということがありました。キリスト教や浄土真宗にも差別があり、隠れキリシタン、隠れ念仏として隠れて信仰を続けている人がいました。そこには権力からの宗教弾圧がありました。

・身体差別:サリドマイドや啞、聾、などの差別がありました。乙武さんの五体不満足がベストセラーになり、障害は、個性の一つだという考え方が主流になりました。

・年齢差別:年寄りはダメだという先入観で差別が行われています。日本は遅れていて、米国では、履歴書に年齢は書かないそうです。

差別は、知識不足からの恐怖心で生まれることが多いのです。お互いに理解する必要があります。如実知見、事実を事実としてあるがままに、ものの真実を正しく見極めることです。人間は自分が置かれた立場からしか物事を見ることができません。人のことを認めたくない、オレが俺がという人が多いのです。平等と差別は表裏一体。全て平等というのはあり得ないこと。人間だから凸凹がある、個性があるのです。個性を持った人がいきいき生きるにはどうすれば良いのか。世の中にはいろいろな人がいるということです。そのことを知ることが大切です。相手を知って互いに認め合う。敬い支え合う、これが大切です。

世界には、テロや武力紛争、経済格差、地球温暖化、核物質の拡散、差別を含む人権の抑圧など、世界規模での人類の生存に関わる困難な問題が山積しています。その原因の根本は、ありのままの真実に背いて生きる私たちの無明煩悩にあります。無明煩悩は、仏法の根本が理解できずに心が掻き回されている状態です。差別する側も、差別される側も無明煩悩から開放されることが解決の糸口になると思います。

【世界がもし100人の村だったら】
もし、現在の人類統計比率をきちんと盛り込んで、
全世界を100人の村に縮小すると、どうなるでしょう
その村には・・・
57人のアジア人、21人のヨーロッパ人、14人の南北アメリカ人、8人のアフリカ人がいます
52人が女性です、48人が男性です 
70人が有色人種で、30人が白人
70人がキリスト教徒以外の人たちで、30人がキリスト教の信者です
89人が異性愛者で、11人が同性愛者です
6人が全世界の富の59%を所有し、その6人ともがアメリカ国籍です
80人は標準以下の居住環境に住み、70人は文字が読めません
50人は栄養失調に苦しみ、ひとりが瀕死の状態にあり、ひとりは今、生まれようとしています
ひとり(そうたった1人)は大学の教育を受け、そして、たったひとりだけがコンピューターを所有しています

もし、このように、縮小された全体図から私達の世界を見るなら、
相手をあるがままに受け入れること、自分と違う人を理解すること、
そして、そういう事実を知るための教育が、いかに必要かは、火を見るより明らかです

今、私たちは何を考えなければならないのでしょうか。
止められない現実の流れの中で、私たちに何ができるかを考えたいのです。