2025年11月23日日曜日

▶金沢仏教文化講演会の参加報告

 金沢仏教文化講演会

■ 日時 2025年11月19日(水)13時~15時30分
■ 場所 金沢公会堂
■ 主催 金沢区佛教会/金沢区釈尊奉讃会
■ 参加者 約250名


第一部 チャリティー寄席 13:15~
・ウクレレ漫談 ぴろきさん
【経歴】
1986年、東八郎主宰の「笑塾」に入門。ちょんまげ・ 丸眼鏡・ピロシャツという出で立ちで、ウクレレを弾 きながら自虐ネタ漫談を披露する。寄席『浅草東 洋館』『新宿末廣亭』『浅草演芸ホール』『池袋 演芸場』『上野広小路亭』『日本橋亭』『国立演 芸場』『横浜にぎわい座』、出演に日本テレビ『笑 点』、NHK『演芸図鑑』、NHKラジオ『真打ち 競演』、TBSラジオ『爛漫寄席』など多数。https://ja.wikipedia.org/wiki/ぴろき

《休 憩》15分

第二部講演 14:05~
・元NHK エグゼクティブアナウンサー 村上信夫さん
テーマ:『嬉しいことばが自分を変える』
【経歴】
1953年、京都生まれ。元NHK エグゼクティブア ナウンサー。これまで、『おはよう日本』『ニュース 7』などを担当。2001年から11年に渡り、1 ラジオの「声」として活躍。現在は、「嬉しいこと ばの種まき」をテーマにした活動を、全国各地で 幅広い年齢層に向け、精力的に行っている。東京・ 京都・大阪などで「ことば磨き塾」を主宰。東京・ 麟祥院で、月1回「大人の寺子屋」も開催。放 送中の番組は、文化放送『日曜はがんばらない』、 シャナナ TV 『縁たびゅう』、FM805 『たんば女 性 STORY』。著書に『嬉しいことばが自分を変え る』(ごま書房新社)など多数。http://murakaminobuo.com

―こころのたより (三帰依文) ―
Buddham saranam gacchami ブッタン・サラナン・ガッチャーミ
Dhammam saranam gacchami ダンマン・サラナン・ガッチャーミ
Sangham saranam gacchami サンガン・サラナン・ガッチャーミ
わたしは み仏を 心のよりどころといたします。
わたしは み教えを 心のよりどころといたします。
わたしは み仏の教えに生きる僧を 心のよりどころといたします。

■ 感想
自虐ネタ漫談のぴろきさん、自分をとことんまで落として観衆を持ち上げて笑いを誘うという芸風。切実な認知症の話なども出てきましたが、最後は「明るく陽気にいきましょう」で落とすという話術がたくみでした。どんなことでも深刻にならずに、ケセラセラ、なるようになるさと達観すればいいというのが共感できました。

元NHKアナウンサーの村上さんは、さすがに話がうまかったですね。最初に、食事は体を作る、聞いた言葉が心を作る、それでは、発した言葉は何を作るかという問いかけがありました。場内から、環境を作る、世界を作る、空気を作るなどの意見が出ましたが、正解は”未来を作る”でした。アナウンサーは、言葉を発するのが商売ですが、自分は未来を作っているという自負で仕事をしていたんですね。すばらしい。

アナウンサーの魅力とは、人の喜びを二倍にして悲しみを半分にするという言葉も良かったですね。アナウンサーの言葉で何百万人もの人たちが一喜一憂するというのはすごいことですね。中西龍(なかにしりょう)さんというNHKの先輩アナウンサーの言葉だそうです。

ラジオ放送で、「今日は晴天で良いですね」と言ったら、晴天続きで困っている農家もいるということでお寺の住職から諭されたそうです。確かに、雨天を待っている人もいるんですね。自分で〇×を決められない、ラジオの向こうには誰がいるか分からない。これは、今のSNSの発言にも通ずることです。

新潟で繁殖したトキが死んだときに思わず「トキが亡くなった」と放送したそうです。でもNHKの決まりでは、亡くなったという言葉を使うのは人間だけと決められているそうです。トキも人間並みに大事にしている表れだと永六輔さんにだけは褒められたそうです。

聴聞は人の話に耳を傾けるという意味ですが、聴には特別な意味があるそうで、訓読みでは”ゆるす”と読むそうです。よく見ると耳偏に十四の心なんですね。人の言っていることを許しながらきくということが大事だというお話がありました。きつい、つらいことを言われてもそれを許す心が必要ということでした。病床のお母様が、痛い、苦しいと行ってくる言葉は、生きていることの主張であって、そうかいそうかい、あなたの苦しみはよく分かるよと受け入れる、許すことが大事だというお話がありました。

お父様からの人生訓。人と接する時は明るい心(春)、仕事には暑い心(夏)、考える時は澄んだ心(秋)、自分に向かうときは厳しい心(冬)。そうありたいものですね。

言葉は、贈り物。これからも有り難う、お蔭さま、いただきます、ごちそう様などの贈り物を使っていきたいというお話。私も、メールやSNSなどでも出来るだけ使うようにしています。有り難うはインドではナマステ。欧米ではThank you.これは南無阿弥陀仏(阿弥陀仏に帰依し感謝します)につながるのではないかと思います。

言葉は、人に勇気を与えるすごい力を持っていると思います。人間だけが持っている言葉というツールをうまく使って、平和で明るい未来を切り開いて行きたいものですね。

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